魚の町、静岡県焼津市にある動物病院のブログです。☎ 054-628-6468

熱中症について

こんにちは♪看護師の原田です

5月に入り、すっかり暖かくなりましたね
日によっては夏ではないかと思うくらい暑い日も。。。

今日は、段々暑くなってくるにつれて多くなってくる病気。
熱中症についてお話したいと思います


熱中症とは・・・
熱によって引き起こされる体の不調を総称しており、
専門的には『暑熱環境にさらされる、あるいは運動などによって、
体の中でたくさんの熱を作るような条件下にあって発症し
体温を維持するための生理的な反応により生じた失調から、
全身の臓器の機能不全にいたるまでの、連続的な病態』と定義されています。


症状

高体温・呼吸が速く、パンティング(あえぎ)
      ↓
粘膜の充血・意識レベルの低下
      ↓
低血圧・ショック状態・神経症状
      ↓
      死


最初はハアハアと口を開けてパンティングするだけですが、
体温の上昇に伴い、色々な症状が出てきます。
重症になると、倒れてしまい痙攣(ケイレン)したり、
体温が42℃を超えると、細胞レベルで酸素供給率が低下し、
各臓器で一斉に変化が見られ、放っておくと死に至ります。

パンティング
パンティング



原因

そもそもヒトは体温が上がると汗をかいて体温を調節します。
それは体中にエクリン腺と呼ばれる汗腺があるからです。
しかし犬にはこのエクリン腺が足の裏にしかありません。
なので、ヒトのように汗をかいて体温を調節することができず、パンティングにより熱を放出します。

ただ、犬はヒトよりももともと体温が高く被毛も厚いので、すぐに体温が上昇します。


体温が上昇する環境、それは。。


・閉め切った室内(車内)に長時間エアコンなしの状態で放置する
・夏場に日当たりのよい場所で飼育されている
・暑い時期の過度な運動
・シャンプー後のドライヤーの熱風
                 等々

特に日陰のない炎天下や、空調のない車内等は高確率で熱中症になってしまいます。

『少しの間だけ。ここで待っててね。。すぐ帰ってくるからね。』

犬が車内で、少しの間待ってるだけでも、車内温度はぐんぐん上がります。
たった5分。。たった10分。。その5分で愛犬を失うかもしれません。



熱中症になりやすい犬種

・パグやブルドッグ、シーズーなどの短頭種
 短頭種は気道自体が他の犬種と比べ狭いことも多く、
また軟口蓋過長症など咽頭に問題がある場合は熱中症に陥りやすい傾向にあります

・長毛犬や大型犬
やはり短毛よりも長毛種のほうが熱がこもりがちになります。
シベリアンハスキーやアラスカンマラミュートなどの原産国が寒い地方の犬も熱中症になりやすい犬種です。


また、肥満犬や活発・興奮しやすい犬も熱中症になりやすいので注意が必要です。




治療


・応急処置
 意識がある場合 → エアコンの効いた室内、風通しの良い日陰等に移動し、十分お水を飲ませます。
 意識がない場合 → すぐに動物病院へ連絡。動物病院の指示に従いましょう。

熱中症の応急処置として、水分補給・冷却などがあります。
水分補給は欲しがる分だけあげて、ムリに流し込むなどはしないでください。
冷却は水浴や水で濡らしたタオルをかけたり、冷風にあてる等です。

※ここで注意する事は冷やしすぎない事です。
早く体温を下げようと、氷水で水浴したりすると逆に下がり過ぎてしまいます。

・来院後の処置
 体温冷却・酸素吸入・坐薬・輸液 等




予防するためには・・・

熱中症は飼い主様の意識によって防ぐ事ができる病気です。
熱中症には色々な予防方法がありますので、試してみてはいかがでしょうか。


☆日陰や風通しの良い場所に☆
一番良いのはエアコンをつけてあげることですが、
ご家庭の事情や節電などの理由でエアコンをずっとつけていられない。という方は
直接日の当らない屋根のある場所で風通しの良い場所に置いてあげてください。
自動車に待たせるのはとても危険なので、止めてください。



☆新鮮な水をいつでも飲めるように☆
人間でも暑い時に水がないと辛いように、犬猫にも水はとても大切です。
いつでも新鮮な水をたっぷり用意しておいてあげましょう。



☆お散歩の時間を変える☆
日差しの強い日の地面は、とても熱くなっています。
素足でアスファルトを踏んでみてください。犬はそれで歩いていかなければなりません。
アスファルトが熱くなる夏の間は、できるだけ日の登る前、落ちた後のお散歩にしましょう。



☆サマーカット☆
長毛種の子は夏仕様に短くトリミングしたりします。



☆グッズを使う☆
近年では犬猫用の冷え冷えグッズも多数市販されています。
特にお留守番時やお出かけ時、使えるものが多いので少しご紹介しましょう。

・クールマット
クールジェルなどが中にはいっていたり、アルミの板のようなものだったり。
色々な種類がありますが、どれも犬猫が上に乗る事で体の熱を逃がしてくれるというものです。
ただし、気温が暑すぎたり、直射日光のあたる場所では逆に熱くなってしまうので注意が必要です。

・クールエプロン(バンダナ・タイ・ベスト)
エプロンやバンダナなどにポケットがついており、中に保冷剤を入れて使うクールグッズです。
また水を吸わせて使うタイプのものもあります。
これは、直接頸動脈や胸を冷やす事で体温を低下させます。
インターネットで買ったり、飼い主様自身で手作りされる方も多いです。

クールエプロン1
写真はクールエプロン着用例 胸の内ポケットに保冷剤が入っています


・プール
子供用プールなどでお家で遊びながらクールダウン♪
最近ではドッグランでも大きいプール付きの所もあります。

・ミストと扇風機
人用のクールグッズ。水を霧状にして噴射します。
直接犬にかけて、気化熱で熱を放出します。(人間の汗の原理と一緒)
さらに扇風機などで風を送るととても効果的です。





いかがでしょうか。
上記の方法以外にもまだたくさん方法はあると思います
これからの季節、わんちゃんが快適に過ごすためにも
熱中症対策、考えていきましょう