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膝蓋骨脱臼

こんにちは♪看護師の原田です
台風の季節になりましたね
この前の台風4号はすごかったですね~
でも今週末は晴れるとのことで♪お出かけできそうです



今日は小型犬に多い関節の病気

膝蓋骨脱臼症候群についてお話します。



膝蓋骨脱臼とは・・・後肢にある膝蓋骨(いわゆる膝のさら)が正常な位置から逸脱した状態。
膝蓋骨脱臼には内側にはずれる内方脱臼と外側にはずれる外方脱臼があるが、発生頻度は圧倒的に内方脱臼が高いと言われている。

全ての犬種に発生は見られるが、主に内方脱臼は小型犬(ヨーキー・トイプードル・ポメラニアン等)に多く、外方脱臼は大型犬にまれにみられる傾向がある。


原因
膝蓋骨脱臼は先天性と後天性にわけられる。
先天性のものでは出生時からの膝関節周囲の筋肉や骨の形成異常や靱帯の付着部の異常などが存在し、加齢とともにこれらの異常が進行して膝蓋骨の脱臼を招く結果となる。後天性のものでは、打撲や落下などによる外傷性の原因で膝蓋骨周囲の組織に損傷が生じたり、骨に関連する栄養障害などによって骨の変形が生じた結果、膝蓋骨脱臼が発症するものである。


症状
膝蓋骨脱臼の症状は、その程度により無症状のものから正常な歩行が困難なものまで幅広い。
それらはグレードⅠからグレードⅣまでの4段階に分類されている。

グレードⅠ
膝蓋骨は正常な位置にあり、足を伸展させて膝蓋骨を指で押すと脱臼するが、放すと自然に整復される。このレベルだと無症状の場合が多いが、ときにスキップ様の歩行をすることがある。

グレードⅡ
膝関節は不安定で、寝起き時のように膝関節を屈曲していると脱臼し跛行したりするが、指で膝蓋骨を押すと整復できる。このレベルでは数年間、日常生活に支障はないが、さまざまな症状を呈しながらも骨の変形が進み、膝蓋骨を支える靱帯が伸びてグレードⅢに移行してしまう。

グレードⅢ
膝蓋骨は常に脱臼状態にあり、指で押せば整復できるがすぐに脱臼してしまう。多くは、膝関節を屈曲させたまま歩行するので顕著な跛行が見られる。大腿骨や脛骨の変形も明らかになってくる。

グレードⅣ
膝蓋骨は常に脱臼し、指で整復できない。大腿骨や脛骨の変形もさらに重度となり犬は患肢を屈曲させ、うずくまった姿勢で歩行するか前肢に体重をのせ、患肢を浮かせたように歩行する。

このように程度の差はあるが、各グレードに共通して疼痛、腫脹、跛行、患肢の挙上などがみられる。先天性の場合、習慣的に脱臼し、疼痛はほとんどない例もある。病態が悪化すると膝蓋骨に関連する筋肉の萎縮を呈する場合もある。


予防
膝蓋骨脱臼は先天性のものでは遺伝的疾患のひとつだと考えられている。子犬を飼育する際は、できるかぎり血縁のある犬の本症発症について調査し、本症重症犬を繁殖に供さぬよう注意する。

対策
膝蓋骨脱臼の犬を飼育する際の注意点は、床など足の裏に接地する環境をすべりにくいものにするなどの工夫が必要である。


治療
投薬
グレードⅠやグレードⅡの場合、治療はカルトロフェンやグルコサミン・コンドロイチンなどや消炎剤などの注射や内服で回復が見られることもあります。



手術
滑車ブロック状造溝術(滑車溝を深くし、膝蓋骨が脱臼しないようにする手術)や脛骨粗面の移植などがあります。

膝蓋骨手術




放っておくとどんどんグレードも高くなってしまい、手術の難易度もあがります。
また老齢になってくると麻酔のリスクもあるので、早期の手術をお勧めいたします