魚の町、静岡県焼津市にある動物病院のブログです。☎ 054-628-6468

白内障についてのお話

今回は白内障についてお話します。


【目の仕組み】



目はこのように様々な組織があり、一つ一つが重要な役割を果たしています。


【白内障の症状】

目の組織の一つ、水晶体が何らかの原因で白濁した状態白内障と呼んでいます。

水晶体は主に水分とタンパク質から形成されています。本来、水晶体は透明ですが、何らかの原因でタンパク質の透明性を維持できなくなると、水晶体が白濁して白内障を引き起こします。

しかし犬猫では例外があり、5~6歳以降より水晶体の中心部が青白く見える現象が起こりますが、
これは核硬化症と呼ばれる老化現象の一つで、これによって視覚を失うことは無いために白内障とは区別されています。


【白内障の原因】

白内障の多くは遺伝的欠陥、加齢、外傷、栄養状態、糖尿病などの代謝異常によっておこります。
白内障の原因で最も多いのは遺伝的欠陥です。プードルをはじめとする多くの犬種で遺伝性の白内障が確認されています。

・白内障を発症しやすい犬種
  プードル
  コッカ―スパニエル
  ビーグル
  アフガンハウンド
  狆


【白内障の検査】

水晶体は散瞳剤を点眼して瞳孔を広げてみます。
瞳が広がったら、スポット光を照射したりスリット光と呼ばれる幅の狭い光で水晶体を観察します。


【白内障を放置すると】

白く濁った水晶体内容が目の中へ漏れ出し、ブドウ膜(虹彩や毛様体)に炎症を起こします。
ブドウ膜炎が起こると緑内障を続発する事があります。


【白内障の治療】

白内障が初期のうちに発見できれば、混濁の進行を防止するために抗白内障薬を点眼し続けます。


【白内障犬に見られる行動】

 ・歩いていると何かにぶつかる。
 ・ボールを投げても気がつかない。
 ・階段でつまずく。
 ・寝ていることが多い。
 ・急に噛みつくことが多くなった。

このような状態に気づいたら動物病院で目の検査を受けましょう。
白内障以外にも視覚障害を起こす目の疾患はたくさんあります。


●目のチェックポイント●

□ 左右の目の大きさに違いはありませんか?

□ 物にぶつかったり階段を踏み外すことはありませんか?

□ 目を細くして眩しそうにしていませんか?

□ まぶたがかすかに震えていませんか?

□ まぶたが腫れていませんか?

□ まつげに異常はありませんか?

□ 目の周りの毛が濡れていませんか?

□ 目が乾いていませんか?

□ 目やにが多くありませんか?

□ 白目が赤くなっていませんか?

□ 黒目が白く濁っていませんか?

□ 目の中の色(虹彩、水晶体など)に変化はありませんか?


一つでも心当たりがありましたら当院にご相談ください。






最後に、今年10歳になったトーマスくんの目を診てみましょう。


今回は散瞳剤を使わず簡単に……



目の検査にはスリットランプと呼ばれる器械を使います。



神妙な面持ちです。



白い矢印の範囲が角膜で、赤い丸印の中が水晶体です。

トーマスくんは核硬化症でした。