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犬の皮膚炎についてのおはなし

夏になり、皮膚炎で受診される飼い主さんが増えています。
なので今回は、犬のかゆみを伴う皮膚炎についてのおはなしをしたいと思います。


まずは愛犬がなぜ痒がっているのか、その原因を探しましょう。


7大かゆみの強い病気

1.ノミアレルギー
  ノミの寄生
2.疥癬(かいせん)
  疥癬というダニが皮膚に穴を掘って寄生
3.犬毛包虫症
  毛包内にニキビダニが寄生
4.膿皮症
  皮膚の細菌感染
5.マラセチア
  マラセチアという真菌に感染
6.食物アレルギー
  アレルゲンとなる食物に反応
7.アトピー性皮膚炎
  環境中のアレルゲンに反応


●治る皮膚疾患を治しましょう●
1~4の疾患は原因がはっきりしている皮膚疾患なので、その原因を排除することによってかゆみ等の症状をなくしていきます。

1. ノ  ミ   → 医薬品のノミ駆除薬を使用。
2. 疥 癬   → 駆虫の注射を打つ。角質溶解シャンプーを使用。
3. 犬毛包虫  → 駆虫の注射を打つ。角質溶解シャンプーを使用。
4. 細 菌   → 抗生物質を内服。抗菌シャンプーを使用。
5.マラセチア → 抗真菌薬を内服。抗真菌シャンプーを使用。


●食物性アレルギーがどうかを見極めましょう●
かゆみを伴う皮膚炎の場合、6の食物性アレルギーの可能性も考えられます。
食物性アレルギーは、ある特定の食材がアレルゲンとなっているので、まずは徹底した食事管理によって、食物性アレルギーかどうかを見極めます。
食物性アレルギーと診断された場合は、原因となっている食材をつきとめながら治療を進めます。

食物アレルギーの診断は、病院で処方される「療法食」と水道水だけを2ヵ月~3ヵ月与え、その後の皮膚の状態を見て診断します。

 ■療法食とは
・今まで食べたことが無いであろうタンパク質を使ったフード
食物アレルギーは初めて食べたものに対しては起こらないため、珍しいタンパク源を使っているものを与えることも有効です。
例)ダック コッド(タラ) 七面鳥 など

・アレルギーが起こらないようにタンパク質を特殊加工したフード
あらかじめ、ある程度消化・分解(加水分解)したタンパク質を使用し、よりアレルギーの原因になりにくいフードも開発されています。
(消化の良いタンパク質は体の中で小さい分子に分解され、アレルゲンとして体に認識されにくいのです。)

またどのアレルゲンに対して反応してしまうのかがわかる、アレルゲン特異的IgE検査・リンパ球反応検査もあります。

関連記事:皮膚と食事


●完治が難しい犬のアトピー性皮膚炎●
上記のどれでもなかった場合には、7のアトピー性皮膚炎の可能性が非常に高くなります。
アトピー性皮膚炎は全てが解明できていない病気の一つです。
アトピー性皮膚炎について正しい知識を身につけましょう!

アトピー性皮膚炎とは?
アレルギー性皮膚炎のひとつ
遺伝的な体質
原因は環境中にある


・原因物質
アレルギーとは、ダニ、カビ、花粉などのアレルゲンに対して免疫が過剰反応してしまうために起こる病気です。

・遺伝的にアトピー性皮膚炎になりやすい犬種
柴犬
シー・ズー
ゴールデン・レトリーバー
ラブラドール・レトリーバー
シェットランド・シープドッグ
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
ダルメシアン
ボストン・テリア
           など

・皮膚のバリア機能不全
皮膚が弱かったり潤いが不足すると、アレルゲンが体に侵入しやすくなる、アレルギー反応が起きやすくなります。また、皮膚トラブルを抱えた犬や生まれつき皮膚が弱い犬は、アトピー性皮膚炎になりやすいと言えます。

この様に、アトピー性皮膚炎の原因は、生活環境の中の排除しにくいアレルゲンと遺伝的な体質に大きくかかわりがあります。


アトピー性皮膚炎は、初発年齢が若く、完治が難しい病気です。
しかし、完治が難しいからと諦めて治療をしなければ、症状は悪化する一方です。

アトピー性皮膚炎と上手に付き合い、愛犬の苦痛を和らげてあげる治療を第一に考えましょう!


アトピー性皮膚炎の治療法などは、また次回書きたいと思います。
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