魚の町、静岡県焼津市にある動物病院のブログです。☎ 054-628-6468

犬の膵炎の治療について

ひこの動物病院のブログをいつもご覧頂いて、本当にありがとうございます。

先日、ブログを見たという方から当院に直接お電話があり、犬の急性膵炎の治療についてのご質問をいただきました。お電話でお答えしましたが、もう少し解り易く説明させていただきます。

犬や猫の膵炎の治療おいては、ここ5年間の文献を検索しても膵炎に対する新規治療法の報告は殆どありません。基本的には対症療法、支持療法が主体となりますが、その中で異論なく行うべき治療としては、輸液、抗生物質、鎮痛薬、食事療法(低脂肪食、嘔吐が重度でない場合は絶食はしない、チューブフィーディング、GFO療法)制吐剤などがあります。
 
賛否両論ある治療法としては、ステロイド、蛋白分解酵素阻害剤、血漿輸液、低分子ヘパリンなどがあります。

まずステロイドに関しては、現状ではステロイドは急性膵炎の危険因子とする証拠はないとされています。いくつかの文献も出ていますが、実験的にステロイドを投与しても、急性膵炎は起こらなかったと結論づけた報告や、急性膵炎例とそれ以外の症例との間に、ステロイドの有無、投与量に差が認められななかったと報告しているものもあります。しかし、細菌性膵炎が明らかに疑われる場合は短期間投与に留めておいた方が良いと思われます。


蛋白分解酵素阻害剤、血漿輸液、低分子ヘパリンに関しては犬猫でのエビデンスは乏しいですが行う価値はあると思います。

また、診断に関しては主に腹部エコーと犬膵リパーゼ免疫活性で殆ど見落しなく診断できると思います。膵炎の重症度、治療反応性のモニターに炎症性マーカー(CRP)は有用です。

参考になりましたでしょうか?かかりつけの先生と治療方針をじっくりと検討していただくと良いかと思います。
ワンちゃんの回復を心よりお祈りしています。


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