魚の町、静岡県焼津市にある動物病院のブログです。☎ 054-628-6468

アトピー性皮膚炎の治療

以前犬の皮膚炎についてのおはなしの記事を書きましたが、今回はその続き、アトピー性皮膚炎の治療法を書いていきます。

アトピー性皮膚炎の主な治療法


ステロイド(副腎皮質ホルモン)
 有効率………ほぼ100%
 メリット……即効性があり、有効性も高い
 デメリット…副作用が強く、投薬を止めると再発する

よく効くお薬ですが、あくまで対症療法のお薬になります。
アトピー性皮膚炎を治すのではなく、かゆみと炎症を抑えるお薬です。
なので投与をやめれば再発します。

副作用がよく取りざたされているお薬ですが、うまく使えば非常に良いお薬です。
獣医師の先生と投与計画をきちんと立てて、副作用を最低限に抑えましょう。


抗ヒスタミン  
 有効性………約30%
 メリット……副作用が少ない、安価
 デメリット…効き目が弱い

かゆみの元のひとつであるヒスタミンの働きを抑える作用があります。
軽度のアトピー性皮膚炎に使用される場合が多いですが、単独で使用して効果が現れることはまれで、補助的に使うお薬と考えた方がいいでしょう。


免疫抑制剤
 有効性………約70%
 メリット……ステロイドより副作用が少ない
 デメリット…免疫を抑制する

アレルゲンに対して過剰に反応してしまう免疫の働きを抑制する事により、皮膚のかゆみや赤みなどを抑えます。
皮膚だけでなく色々な臓器に作用するステロイドに比べ副作用は少ないです。


減感作療法
 有効性………約70%
 メリット……唯一の根本的治療、副作用が少ない
 デメリット…開始時に特殊検査が必要、注射なので手間がかかる

現在行われているアトピー性皮膚炎の治療の中で、アレルギーを根本的に解決するための治療法と言えます。
アレルギーの原因物質(アレルゲン)を避けるのではなく、逆に注射で体内に原因物質を取り込むことによって、体をその物質に慣れさせてアレルギー反応が起きないようにする治療法です。
開始前に原因物質を特定するためのアレルギー検査を行う必要があります。

注射は飼い主さんが自宅で行う場合が多いです。手間がかかるので、決められた回数の注射を受けさせることが可能かどうかを考える必要があります。治療開始時に強いアレルギー反応が出なければ、副作用がほとんど出ません。


犬インターフェロン療法
 有効性………約70%
 メリット……副作用が少ない、アレルギー体質改善の可能性
 デメリット…注射なので手間がかかる

犬アトピー性皮膚炎の、最も新しい治療法です。犬のアレルギー体質改善を目的とした、アトピー性皮膚炎の症状を緩和するインターフェロン製剤を注射します。
インターフェロンは元々体内にある物質なので体に優しく、副作用も少ないため安心して使うことができます。

かゆみの軽減の他にも、アトピー性皮膚炎の特徴的な症状である掻破痕(引っ掻き傷の跡)、紅班(皮膚が赤くなる状態)、脱毛などの症状を総合的に改善する効果も認められています。

最初の1ヶ月は頻回の通院が必要となります。効果が現れてきたら投与間隔を開けていきます。



生活環境の見直し

病院でも治療と合わせて、愛犬の生活環境をトータルで見直してあげると、効果的に症状が良くなります。
毎日の生活の中にあるアレルギーの原因物質であるアレルゲンを、愛犬の周りからできる限り排除しましょう!

シャンプーをしよう!
愛犬の体についた様々なアレルゲンを取り除くために、こまめにシャンプーしてあげましょう。
使用するシャンプーは獣医師の先生と相談しながら、肌の状態に合った物を選ぶと良いでしょう。シャンプー後は、忘れずに低刺激性保湿剤で保湿してあげましょう!

シャンプーがなかなかできない場合は、フローリング用のお掃除シートで軽く拭いてあげるとハウスダストや花粉などが取れますよ。

お掃除をしよう!
ハウスダストやノミ・ダニの死骸を取り除くために、こまめにお家をお掃除しましょう!
愛犬のケージやベッドも毎日掃除してくださいね


低アレルゲン食を食べさせよう!
動物病院で処方される食事療法や手作り食など、アレルゲンを含まない食事内容に切り替えてあげましょう



治療によってかゆみや赤みが減少すれば、愛犬の辛さも減るはずです。
たとえかゆみや赤みが少し残っていたとしても、前よりも症状が軽減されていればいいと考える事も大事です。

それ以上の症状改善を求めて治療を進めることによって愛犬の体に負担がかかり、余計に愛犬を苦しませてしまうかもしれません。
アトピー性皮膚炎という難しい病気を理解し、上手に付き合っていくように心がけることが肝心なのです