魚の町、静岡県焼津市にある動物病院のブログです。☎ 054-628-6468

ひこの動物病院開設50周年を想う








東京オリンピックの前年、高度経済成長期の昭和38年(1963年)、焼津荒祭りも過ぎて涼しくなった8月28日、焼津神社近くの小さな一軒屋を借りて動物病院を開業しました。
駅前に新しい道路ができたと言っても舗装もなく雨が降れば水溜り、晴れれば埃まみれの砂利道でした。開業はしたものの初めは右も左もわからず本当に苦労しましたが、近所の人たちに助けられ、何とか仕事ができる事となりました。最初の患畜は猟犬で、確かフィラリア症だったと覚えています。

港町特有の荒っぽい言葉づかいで、入ってくるなり「おい、いるか」です。女房は「怖い」と言って家の中へ逃げていく事が何度かありましたが、私よりも早く焼津の人間になったのも女房でした。



少しばかりの手術器具と注射器、そして数えられるぐらいの種類しかない薬。足りないものばかりで、いつも知恵を絞って治療にあたっていました。犬猫の治療参考書も少なく、外国の翻訳本が出ると我先にと買い求めたことを懐かしく思い出します。
また当時は、獣医師の多くが県共済組合で産業動物の診療を主にしていましたので「小動物診療だけで生活していけるのか?」とよく言われたものです。たしかに仕事が少なく1日1件のお客さんの無い日もあり、経営的には大変厳しい日々が続きました。



ある時、川根町の奥から骨折した猟犬が持ち込まれ、手術後入院しました。入院室とはいえ簡単な木の箱ですが、その中に入れておくしかありません。麻酔の覚めもよく2日目には、元気な姿に安心していました。3日目の朝、起きてみるとその犬がいません。簡単な入院箱だったので脱走してしまったのです。すぐに飼い主さんに連絡して一緒に探しましたが見つかりません。飼い主さんも毎日来て探してくれましたが見つかりません。20日程してから、石津の方でそれらしい犬がいるとの情報を貰い行ってみると、骨折も治り丸々と太って元気にした姿で     
近所の人達から餌を貰っていたのでしょう。焼津の親切な人たちに又助けられました。

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